特定技能外国人を雇用・採用する際、雇用契約書の注意点は
2022.6.3 採用・雇用

特定技能外国人を採用する際、雇用契約のポイントや契約書の作成について、特定技能ならではの決まりがあります。トラブルを未然に防ぐため大事な部分になりますので、今回は雇用契約書の注意点について解説します。

特定技能の雇用契約書はどんなものか?

特定技能で雇用契約を結ぶ際は、国から決められた記載項目が多くあります。基本的には自社の雇用契約書ではなく、出入国在留管理庁が出している雇用条件書の雛形を利用しましょう。主に雇用条件や報酬に関わる参考様式をご紹介します。

①雇用条件書

一般的な雇用条件提示書と大きな違いはありません。雇用期間や労働時間、休日、有給休暇、給与額についての細かい条件を記載する書類です。

②賃金の支払

月額報酬について詳細を説明する書類です。基本給以外の諸手当の有無やその金額、社会保険や税金、それ以外で給与から控除する項目とその金額を記載します。

③徴収費用の説明書

上記で控除する項目と金額についてさらに詳しく説明する書類になります。

上記の雛形は日本語版ですが、日本語以外に10の外国語で訳された契約書が出入国在留管理庁のHPにアップされています。特定技能外国人が理解できる言語で作成しましょう。(https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/10_00020.html)

特定技能で雇用契約を結ぶ際の注意点は?

さて、雇用契約関係でトラブルを防ぐための重要なポイントとしては「とにかくしっかり説明する事」です。そんなの当然でしょ!と思われたかも知れませんが、日頃皆さんが考える「しっかり説明」よりはるかにじっくり、細かく、丁寧に!!が一番のポイントです。日本では常識でも外国人にとっては馴染みがない規則や制度も多いので、これまで起こったトラブルのほとんどはここの説明不足が原因です。特に認識相違が多い部分をいくつかご紹介します。

①社会保険について

日本人にとっては当たり前となっている社会保険制度ですが、外国人が分かるように説明するのは至難の業です。報酬が上がると金額も上がりますし、年度によっても変動がありますので説明時には注意が必要です。

②住居費や水道光熱費について

住居を会社側で用意した場合、住居費や水道光熱費を徴収するケースがあると思いますが、特に水道光熱費が季節によって変動する際は丁寧な説明が必要です。

③交通費、通勤時間など

特定技能外国人自身で住居を見つける場合は、交通費や通勤時間なども確認が必要です。本人が安価な住まいを見つけた場合は職場からかなり遠く離れていたり最寄駅からバスの利用が必要だったりと、通勤時間や交通費にも色々問題が起こります。

④源泉徴収について

こちらも外国人にとっては馴染みがない場合が多く、年末調整も含め説明が必要です。

労働条件の説明は特定外国人の母国語で説明する必要がある

雇用条件には気を付ける点がいくつもありますが、労働条件や報酬などを説明する際は、特定技能外国人の母国語で説明する事が制度として義務づけられています。自社で通訳をつける、もしくは、支援業務を「登録支援機関」に委託している場合は、「登録支援機関」に通訳を代行してもらう必要があります。齟齬が起こらぬよう信頼できる登録支援機関に委託して対応してもらうようにしましょう。

まとめ

特定技能外国人の雇用契約書の注意点についてご紹介しました。日本人外国人問わず説明不足による勘違いや捉え違いで、せっかく築いた信頼関係が崩れるのはもったいないこと。面倒くさがらずに念には念をで対応しましょう。アセアンパートナーズは登録支援機関であり、主にベトナム語、インドネシア語での支援を承っています。理事には社労士もおりますので専門的なアドバイス含め、ぜひご相談ください。